箕面・めいぷるごにんばやしの会

先週末のショッキングな事件から、
頭のネジが壊れていつの間にやら知多半田でヤケ酒あおってたおかげで、
日曜早朝の関西テレビ扇町寄席見逃しました・・・。
あと、日曜は疲れて早く寝ちまったので、上方演芸ホールも見逃しorz
雀々さんの「夢八」見たかったのに・・・。


ちなみに、「扇町寄席」の次回収録のお知らせがHPに出ています。
12月2日の昼間だそうで。めっちゃ平日やん!
しかもその日は児島女子リーグの初日ですやんか〜。
ワシにどないせえっちゅうねん(←仕事しろ)。


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というわけで、日曜日に落語を見れなかった腹いせに?
昨夜行われた落語会に行ってまいりました。
めいぷる五人ばやしの会」という、米朝一門の若手による落語会。
場所は箕面。前回は岡町でしたから・・・だんだん遠くなっとるがな。


演目は次の通り(出演順)。

桂紅雀  「池田の猪買い」
桂ひろば 「書き割り盗人」
桂まん我 「お玉牛」
(仲入)
桂都んぼ 「真田小僧
桂吉弥  「三十石」

まん我さんのお玉牛、そして草原にいさんの三十石!
こんな告知されて、料金1500円と聞いたらじっとしてられますかいな。
仕事済んで阪急電車に飛び乗り、石橋で乗り換えて箕面へ。


当日券のみという会だったので列に並んで待っておりますと、しばらくして発売開始。
受付をしてらっしゃったのは、まん我さんと都んぼさん、
スタンプカードをひろばさんが配り、吉弥さんと紅雀さんがチラシ配り。
まさに手作りの落語会でした。
草原にいさん、無精ヒゲ生えてましたけど(笑)。



しかしすごいですよね。
五人全員米朝一門なのに、全員師匠が違います。
しかも米朝師匠の直弟子は誰もいない・・・改めて見てもすごい所帯やなあ。
こうなると五人の中で、誰が先輩で誰が新米なのか、見分けつきませんねえ。


会場のメイプルホールはキャパ500人程度、
さすがに地元箕面のお客さんがほとんどという感じで、7〜8割の入りでした。


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で、いきなり感想。
桂まん我の「お玉牛」は今すぐ聴くべし!


これわたくしの想像ですけど、
マクラで春團治師匠のところへ稽古に行ったときの話をされていましたし、
たぶんネタ下ろししてあまり時間が経っていない噺かと思います。
はっきり言って、芸として垢抜けたところまでは、まだまだ行ってません。
春團治師匠のお玉牛が、洗練された芸としてあまりにも有名ですしね。
でも、あの春團治師匠にないものを、まん我さんは持ってます。
それは「若い」ということ。


村の別嬪さんと牛がすり替わって寝ているのも知らず、アホが夜這いに行くという噺ですよ。
80歳近いおじいさんがやるより、36歳の気鋭が威勢良く演じるほうが、
ある意味リアリティーがあるとも言えるのです
(もちろん春團治師匠があのお年で演ると、滑稽さが出て面白いわけですが)。


そして、噺の舞台は田舎の村。船場や京の街とは違うわけでして、
まだ未完成のまん我さんの芸が、むしろ妙なリアリティーを醸し出してくれます。
大笑いしながらも、何だかすごく不思議な感覚で聴くことができました。


まん我さんは上方の若手の中でも屈指の実力派ですので、
おそらくもうあとちょっとしただけで、独演会でかけられるような「お玉牛」になりそうな気がします。
もちろん20年後、30年後には完成形として、「桂まん我のお玉牛」が出来上がっていることでしょう
(たぶんそのころには「まん我」という芸名は変わってるような気がしますけど)。


それはそれで底抜けに楽しみですし、たぶんまた聴きに行くことでしょう。
でも今現在の、「妙なリアリティー溢れるお玉牛」には、もう出会えないかもしれない。
だから、チャンスがあれば今のうちにお聴きになったほうがいいと思います。
それぐらい衝撃的な、お玉牛でした。


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そしてもう一つのお目当て、吉弥さんの三十石。
ステージにはライト当たってますので、開演から出番までの間にヒゲを剃ったかどうかは不明(笑)。
噺の細部は、米朝師匠のとも枝雀師匠のとも、もちろん笑福亭の三十石とも少し異なる演出。
わたくしは遂に聴けませんでしたが、おそらく吉朝師匠流でしょうね。


ちなみに、噺の冒頭でいきなり
「京は八軒屋の浜から・・・」と大トチリ(爆)
(もちろん京は「伏見の浜」で大阪が「八軒屋」)。
慌てて「やり直し!」と訂正しておられました。


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このDVDに収録されてる「愛宕山」で、
祇園から東へ東へ行ってしまうトチリを思い出しました(笑)。


お女中を自分の膝の上に乗せて帰ろうとする男の妄想が期待通りの楽しさ
反面、最後に噺にも増して大きな声を張り上げたい、舟歌のところがちょっと不満で、
「三十石夢の通い路」のスケールの大きな噺としては、まだ仕上げの余地あり?という感じでした。


しかし、若手気鋭の落語会というのは本当に楽しいですね!
今しゃべっているこのネタを、10年後同じ人ので聴いたらどこまで進化しているのだろう?
本当に師匠や四天王を抜いちゃうんじゃなかろうか?
そういうワクワク感を感じながら、阪急電車に揺られての家路でした。