草原にいさんおそるべし!

ちりとてちんが終わってからしばらく経ったというのに、
5月8日・9日の「五月繁昌亭 吉弥まつり」、あっという間に完売ですよ。
たぶん即日だったんじゃないかなあ。


それだけじゃありません。いよいよ今週土曜日から!

昭和60年4月に始まった『バラエティー生活笑百科』は、暮らしの中のトラブルを笑いの中で解決する番組として人気を保ち、今年で24年目を迎えました。
番組では、漫才で時代の変化に即した相談を取り上げ、個性的なキャラクターの各相談員がそれぞれの立場からの考え方を巧みな話術で面白おかしく展開します。毎回、多彩なゲストを招き、独自の視点や専門的な立場からの考え方を示し、二人の相談員のどちらを支持するかを示してもらいます。4月からはレギュラー相談員に桂吉弥さんが加わります
NHK大阪放送局・番組情報「生活笑百科」

ついに全国区のバラエティー初参戦ですよ草原兄さん
せんちゃ・・・もとい先妻との揉めごととかも相談される側に立たなあかんわけです。
えらいことになりましたなあ。噛まないようにがんびゃっ・・・がんばって下さい。


それにしても雀々さん以来、久しく(20年以上)出てこなかった、
上方の有名落語家」いよいよ誕生!といったところでしょうか。
最近ちょくちょくと「ちちんぷいぷい」も出てますけど、
これからもこういった関西ローカルの番組で、どんどん実績上げてくれるはず。
吉弥さんはスポーツもじゅうぶん詳しいですからねえ。阪神ファンだし、元サッカー部だし。


NHKとかワイド情報番組では弾けにくいので、
あとは雀々さんにとってのやしきたかじんみたいな、面倒見てくれる大物の存在がほしいですね。
まずは「えみちゃんねる」ぐらいから始めますか。


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さすがというか何というか、一門の総帥・人間国宝米朝師匠は見るとこ見たはります。

http://www.asahi.com/kansai/entertainment/beichou/OSK200804080003.html
人気者になった吉弥はある会場で入りきれないお客のために、立ってしゃべったり手を振ったりしたことがあったそうやが、気を遣ったつもりがかえって前にいたお客さんにアンケートで苦情を書かれたらしい。舞台に上がってる者がお客をいらう(いじる)のは笑いを取るには相当な効果があるんやが、あんまりやったらいかんことやと私は思てます。

確かにね、吉弥さんの落語会去年今年と2回行きましたけど、
生粋の落語ファンちりとてちんファンで客層がくっきり分かれるんですよ。
じっくりと噺が聴きたいお客さんにとっては、最近の高座はちょっと白ける点があるのかもしれません。
これは本当に難しいですよね。
お笑い芸人の範疇であるにもかかわらず、笑わせれば勝ちっていうものでもない職業ですから。


こないだは「平成紅梅亭」で、「天災」を掛けていた吉弥さん。
(ニコニコにもアップされてたんですけど消されてました・・・)
1月繁昌亭で見た「ねずみ」もそうだったんですけど、終盤ちょっと怪しくなるんですよね(苦笑)。
忙しすぎて、稽古不足なんじゃないかなあなんて思ったりして。


間違いなく実力は若手でもピカイチですので、あとは人気商売話芸研鑽の両立をこなせれば、
きっと未来の上方落語の大看板になれます。
一般的に「吉弥」といえば江戸時代の名女形上村吉弥」のことですが、
これが「桂吉弥」の代名詞になる日もそう遠くはないかもしれませんよ。
太りすぎにも注意して(笑)、これからも楽しませてください!


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あと、米朝師匠のおはなし、その前編

「10年前に落語に出会っていたら、絶対に落語家になっていた」。吉弥の弟弟子の四草役で出ていた加藤虎ノ介という若い役者がそうまで言うたんやそうです。ほんまに1席やろうと、天満天神繁昌亭での吉弥の会に草々役だった青木崇高という役者と一緒に出演したそうな。四草は「こんなやりがいのある脚本はない」と仰山(ぎょうさん)のネタの中から「つる」を選んだんやて。えらいもんやな、確かにあのネタには落語のエッセンスが詰まっています

これは「それぞれのちりとてちん」という特集番組でも四草が
「ボクは『つる』という噺を使って、(一人芝居のつもりで)板の上でやらせてもらった」
と言ってましたねえ。
「前座噺の代表」=「落語の基本を学ぶ教科書」ですから、
このチョイスをするセンスはお見事!というところでしょうか。


余談ですが、わたくし「吉弥まつり」はチケット完売につき行けませんので
(若干の当日立ち見券はあるそうですが)、
近いうちにどこか別の落語会に行ってみるつもりです。
そして、6月3日の天満天神繁昌亭桂あやめ独演会」に出撃予定。
あやめ姐さんが古典を2席、どうアレンジして聴かせてくれるのか(創作1席も)というのもさることながら、
いよいよ一番弟子・さろめちゃんの初高座!
これが底抜けに楽しみなのであります。