鉄砲玉はいつまで飛ぶか

4/15(火) 甲子園 対広島4回戦

広島  000 000 000  0
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阪神  100 000 04×  5

勝 アッチソン(3−0)  負 ルイス


4/16(水) 同5回戦

広島  100 000 000  1
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阪神  101 003 000  5

勝 下柳完投3−0)  負 宮崎
HR アレックス

金本が2000本の呪縛から解き放たれた土曜日から4試合連続で、
新井・金本がアベックでタイムリーを打っている。
そりゃ強いはずだわ。5番バッター仕事せんでええもん(笑)。


しかもこの2試合、この2人のタイムリーで主導権を握った後、
今度は彼らがチャンスメイク役となって、下位打線が満塁から長打を放っている。
おかげで球児が2日連続でお休み。
毎日のように見てるファンは「ありがたい」の一言だけど、
修学旅行生みたいに滅多にしか来れないファンにとっては、
あの9回表の儀式が見れないのはちょっと物足りないかもね。


アッチソンも下柳も、内容は先週の中日戦のほうが良かった。
特に今日の下柳は、ボールが高めに浮く場面も散見されて、
球場の広さに助けられたような当たりも少なくなかった。
フライアウトが多い(12個)のは決して思い通りのボールが投げられていない証拠。
それでも要所要所でバットの芯を外させるところは真骨頂やね。



ところで、今週甲子園で試合をやるにあたって、一人心配していた選手がいた。
平野だ。
先週の火曜日、バントを2つ失敗、そして2試合ノーヒット。
自身初体験の「ホームの甲子園」、観客のプレッシャーに完全に呑み込まれていた。


それだけに、今回のカードで結果が出なければ、
ちょっと深みにはまるかも・・・という思いでいたのだが、
昨日2安打、そして8回の大事な場面で赤星を3塁に進めるバント成功。
これで完全に肩の荷は下りた感じ。
今日も1安打。併殺は余計だけど引っ張る当たりを打つという意図は現れている。
心配は完全に杞憂だった。良かった良かった。


あの1塁への意味のないヘッドスライディングを見ても分かるとおり、
彼は身体全体でモチヴェーションを上げる選手なんだと思う。
だからチョンボも多いしケガもするが、好プレーも楽しめる。


福本豊「ヘッスラは怪我してチームに迷惑かけるからやめとけ」と言うけど、
そんな助言を無視してでも頭から突っ込んでいける選手というのが、チームには1人だけ欲しい。
幸い、今のタイガースは選手層が厚いので、平野がいなくなっても、関本も藤本も坂もいる。
「ケガしたら、したときや」
ぐらいの気持ちでプレーできる鉄砲玉みたいな選手は、あまりセリーグにはいない。


当初、平野を獲得したと聞いて
「藤本関本のライバルに同じような長打のない選手持ってきてどないすんねん」
と思っていたけど、今となっては、平野獲得の真意は非常によく分かる。
機動力とか守備範囲の広さとかより、
タイガースの首脳陣はこういう性格の選手を一人入れたかったのだ。


あとはいつまでケガなくもつか。
こればっかりは神さんに祈るしかないわな。まあ1日でも長く働ければいいけど。
とにかく外野の人間は、彼がケガをしたときに
「ほれ見ろ、言わんこっちゃない」言っちゃいけない、ってことだ。